ラ=ファイエット

 
(マリー=ジョゼフ=ポール=イヴ=ロシュ=ジルベール=デュ=モティエ=)

  La Fayette ( Marie-Joseph Paul Yves Roch Gilbert du Motier )(フランス語)

 …「ブナの小木」(「望まれた子。神の贈り物」「神は増やし賜う」「小柄な」「イチイの

  木」「休息」「はっきりした約束」「モティエールの領主」)。

  cf. 姓のラ=ファイエットは、フランス語の定冠詞 la と、ファイ fay ( Fage ファー

  ジェ「ブナの木」という姓のプロヴァンス語形。プロヴァンス地方はフランス東南部

  で、ローマがガリアの地で初めて属州とした地域)と、エット ette (「小さい」を意

  味する指小辞)から。

   名前のマリーは『旧約聖書』中に Miriam で登場し、原義はヘブライ語なら「望ま

  れた子。神の贈り物」。ただし、エジプト起源説も強い。カトリック教徒であること

  のしるしとして女子の名前の第一名に使用されることが多い。

   名前のジョゼフは、ヘブライ語の Yo 「ヤハウェ(神)」と seph 「増やす」から。

  『旧約聖書』中のヨセフ Josephus (ラテン語)に由来。

   名前のポールは『旧約聖書』中のパウロ( Paulos ギリシア語、 Paulus ラテン語)

  から。英語でもポール Paul 。その女性形がポーラ Paula 。

   名前のイブは、「イチイの木」の意味。英語では yew ユー。

   名前のロシュは、「休息」の意味。英語では rest レスト。

   名前のジルベールは、 gil 「約束」と bert 「はっきりした」から。英語ではギル

  バート。

   名前のデュ=モティエは、仏語の前置詞 de (英語の of に当たる)と地名のモテ

  ィエール(スイスの都市チューリヒの西方)からなり、「モティエールの領主」の意

  味。

   なお、通称のマルキ=ド=ラ=ファイエット Marquis de La Fayette は、「ラ=ファ

  イエット侯爵」のこと。フランス語のマルキ Marquis が「(英国以外の)侯爵」。